他人どころか自分の夫や親の顔まで忘れる特技を活かし、
俳優の名前とか顔とかをきれいに忘れて覚えていないような人間の、
偏見と思い込みに満ちた映画(映画館で見たやつ)の感想コーナーです。
Last Update : 1999/01/24

のど自慢

日本の味だねぇ。かぁちゃ〜ん!

あ:

今日の映画は『のど自慢です』。NHKののど自慢が栃木の桐生市にやってくるのですが、それを中心にして、いろいろな人を映しているという映画です。去年は邦画を見ませんでしたので、『ラヂオの時間』以来になります。久しぶりの邦画はどうでしたか?

 

ダ:

今回は当たりじゃない?あんたが見たがったにしては、当たりじゃない。

 

あ:

それは、去年たまたまワースト3が私が見に行こうって言ったやつって事で…。『ラヂオの…』の当たりも、私が誘った映画だったよ。

 

ダ:

じゃぁ、あんたは邦画は当りってことでいいや。(あ:『ジョーブラック…』だって私だったのに。ぶつぶつ)

 

あ:

映画自体は地味なんだけれど、これを良いと思えるような感情が、日本人のDNAに含まれているんですねぇ。だから、見ていて疲れない。でも、すごいのは、こういう映画を脇まで豪華な顔ぶれでしてしまうところでしょうかね?

 

ダ:

並樹史朗や、古尾谷雅人も出ているし。竹中直人は予告では目立っていたけれど、意外と出番は少ない。鐘2つで退場させられたって感じ。

 

あ:

脇までどこかで見たことあると思うような人が出てくる。

 

ダ:

弱点というとそこだな。田口浩正とか、近藤芳正とか、出過ぎ。しかも、大概同じような役ばっかりしている。

 

あ: 意外な配役っていうのが無かったね。でも、逆にミスキャストも無いので自然に見られるのですねぇ。

大友康平っていうのは、根っからの目立ちたがりやのような気がするので、何でもやるけれど、売れていると自分を強く出しすぎる嫌いがあるように思えるのですが、今みたいな時期にこの映画に出たっていうのは、過剰になりがちな演技を若干押さえられて、正解のような気がします。タマちゃんっておばあさんは歌が上手かったね。あの年で、あんなふうに歌えるっていうのは、かなり大変だと思います。

 

ダ: のど自慢の出ている人達って、随分エキセントリックな人達だね。

その中で、北村和夫のおじいさんはある種の清涼材みたいな感じだな。(あ:一般の人かと思った)そんな理由ねーだろ!尾藤イサオいるじゃん?あの人゛須貝"って言う名前あるでしょ?なのに、小林念侍は゛鈴子の父"っていう役名なんだよなぁ。いまどき珍しい。

 

あ: 役名としては、゛あずさ1号・2号"っていうのが笑えるねぇ。あと、焼き鳥屋に゛ピーコちゃん"っていう屋号はすごいんじゃないの?ピーコちゃんって言ったら、家でペットを飼うときにつける名前じゃん。なんか、黄色いインコを想像しちゃったよ。

そういえば、主役は室井滋なんだけれど…

 

ダ:

室井滋を見たいんだったら、TVで雷波少年見ればいいんじゃないかな。室井滋については言う事はないねぇ。

 

あ:

で、内容的には?

 

ダ:

花王名人劇場のドラマを2時間スペシャルにした感じ。

 

あ: だけど、この映画は、TVで見ると良さが伝わらないような気がする。(ダ:TVだと集中できないからじゃないの?)そういうのじゃなくって、TVとか、ビデオだと地味だからか、なんか違うような。映画館で見て欲しいような気がするね。

でも、こういうのを映画で作るって難しいように思うよ。泣けるし、笑えるし、素直に見られる。

 

ダ:

室井滋がインタビューを受けるシーンで「今年1番良かった事は?」と聞かれて、「父と話した事」って答えたのは良かったね。

 

あ:

うん、泣けたねぇ。そこが、「アルマゲドン」と違うんですね。無理をしていない。でもって、「アルマゲドン」は主役がいっぱいいそうで、ウィリス万歳しているけれど、この映画に2枚看板はあるけれど、みんなが主役のような気がする。だから、意外と室井滋は目立たない。何故か一番目立ったのは竹中直人。

 

ダ: あの声で、鷹取山の上で歌っていたっていうんだから、そりゃふられるわ。

この映画ね、要するにのど自慢が来るっていうのは、地方の小都市にとっては大きないべんとであるっていうこと、祭と一緒で晴れの日なんだね。映画の比重としては、祭よりも、祭の準備といえる予選会の方が比重が大きいけれど、そこに過剰な思い入れをしているややエキセントリックな人達を、映画の視点として過剰に踏み込まず、さらりとかき上げてしまった所に邦画の希望を見たね。

 

あ: リアリティーも結構あった。のど自慢の裏側とか見られるし、のど自慢に来る芸能人の選択も、坂本冬美と大川栄策というのは正しかった。多分、つくり手のセンスが良いんだろうね。こういう選択ができるというのは。いろんなところの加減も適切で良い感じ。

この映画はべらべら喋ってしまうとつまらない。というか、喋る事もあまり無いけれど。っていうことでまとめですが…。

 

ダ:

「プロの演歌歌手がのど自慢に出演する」というだけの、それだけの映画じゃないです。

 

あ:

日本人DNA映画です!おすすめだよ!

 

ダ:

映画は最後まで見ましょう。

 

つけたし

やばかったねぇ、もう少しで一緒に『あずさ2号を』歌ってしまうところだったよ。

Mr.ビーンを私は映画では見ていないのですが、話題になったようですが評判は今一つって聞いています。
TVで見た時は面白いと思ったけれど、たぶん今一つだったのは、
日本人が面白いという感覚が微妙に他の国の人と異なるような気が勝手にしているのだけれど、
今回の映画はその逆で、日本人じゃないとわからないかもと思う。
映画としては派手さはなく、だけど泣く事も笑う事もできるのは、日本人の感性にピッタンコなのと、
そういうふうに作った側のセンスの良さでしょう。
上を向いて歩こうも良い感じの映画は私としては初めて。
ポニーキャニオンが制作で入っているからって、どうせすぐやるなんて思ってはいけませんよ。
地味な映画なので、ビデオやTVで見ると良さがわかりにくいと思います。
希に見る良い映画なので映画館で見て欲しいです。
この映画嫌いな人ごめんよ!

映画の傾向:あまり話題作を見ていない。戦争映画も見ない。
おすぎの話は半分にしか聞いていない。予告のナレーションが森本レオだと、あまり信用しない。
ディズニーとか宮崎アニメは基本的に好きじゃない。ストレートな映画とか、お気楽なのが好き。


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