ジョン・ウーは世界を征するか?
あや: | ♪ちゃっちゃっちゃ、ちゃっちゃ(宙を舞っている気分)♪どうだった? |
ダーリン: | (あやを見て『ばか』とつぶやいた後)おもしろかったねぇ。 |
あや: | おもしろかったねぇ。 |
ダーリン: | だからって別に感動とかはしないけれどさ。 流石、ジョン・ウーって感じかな。アクションは見せてくれたよね。 |
あや: | うん。私は哲学や思想がない『マトリックス』って感じもちょっとしたけれど。 |
ダーリン: | 『マトリックス』と大きく違うのは、本人が演じているせいか、不自然に感じなかったことと、 ここは重要っていうシーンはスローで見せてくれてるってこと。 |
あや: | 確かに、『マトリックス』についての私の評価とか感想は、 どちらかというとアクションよりも哲学とか思想が面白かったっていう感じで、 実はあんまりアクションについては評価してなかったりするのだ。 でも、『思想がないマトリックス』とか言ったけれど、M:i-2についてはアクションをかなり評価している。 というか、今まで見たアクション映画の中でもかなり良いのではっていう印象なのだ。 例えば、やたらめたら、ストレートにアクションを起こすのではなく、 テンポをちゃんとずらしていたり、仕込みの動作がちゃんとあったり、 タイマン格闘シーンはカンフーのようなテンポがあって見易かったよね。 |
ダーリン: | これはジョン・ウーじゃなかったらできなかっただろうな。 他の監督だったら、もっと時間の短い映画になっていただろうし、 こんな風な見せ方できずに違うものになっていたと思う。 話としては、最初は『あれ?どんな話かな?』って思ったけれど、 後はこうなるなって思うとおりに進むからね。 007は単独行動だから個人の思い付きによる行動とかで話が変わるけれど M:i-2の場合は、チーム行動だからどうしても、わかりやすいんだけれどね。 それでもフェイントとかないしさ。 |
あや: | そうか、だからアクション映画なのにハラハラ・ドキドキとかなく、 安心したような気分で見られたのね。 確かに、話の意外性とかなかったよね。 |
ダーリン: | だけど、そういう映画をこう料理したっていう所がジョン・ウーのすごいところ。 じゃなきゃ、2時間半近い時間を飽きさせずに見させるのは大変だからな。 |
あや: | そうなのかぁ。 |
ダーリン: | この映画は配役も悪くないし、無茶なシーンにも不自然さを感じさせないが、 007は漫画的なむちゃくちゃな所があるが、配役や話に面白みがある。 今年は007の出来がかなり良かったので、それと比べる気はないけれど 何を見せるかっていうのについては、このアクションや絵面の良さに重点を持っていったってことを 映画の仕上りを見れば、それなりに評価できるんじゃないかな? だから面白い。感動はしないし、今年見た一番よい映画になることはないけれど。 映画としては成功してるんじゃないか? |
あや: | それじゃぁさ、一昨年の『トゥルーマンショー』とかも、ジョン・ウーが作っていたら、もっと 面白くなっていたって言うこと? |
ダーリン: | それは考えられるな。あの映画も途中までは面白かったんだよな。 シティーオブエンジェルも途中で終わっていたら良い映画だったんだよ。 |
あや: | だったら、サイダーハウスルールもジョン・ウーに作ってもらいたかったな。 サイダーハウスルールは、役者も魅力的だったし、話も基本的にドロドロして波もあるのに それをノッペリ、淡々と味気無いようなものにした気分だから、そう思ったんだけれど 映画って他は良くっても、詰めが甘かったり、余分なことでぶち壊したりすることが多いけれれど M:i-2映画は足りない感じも余分な感じも受けなかった。 |
ダーリン: | あとは、作り手と演じる人とかそういうもののチームワークや個後の力にもよるけれど この映画は、それぞれが、きっちりと仕事しているんじゃないかなぁ。 |
あや: | これは誰が見ても、それなりに楽しめる映画だと思う。 |
ダーリン: | ムリに感動させようとか、オーバーな映像で冷めることなく、アクションが楽しめる映画です。 最近はCM負けする話題作も多いけれど、見て、損したと思わない程度は楽しめるんじゃないかな? 過度な期待を抱かず、素直に楽しむことをお奨めします。 |