せつないという味
最近話題になっている韓国映画のひとつです。
全てを失った男が
20年ぶりに行われた思いでの地でのハイキングの場に現れるんですが
男は大荒れ、手がつけられないのでほっておけと思ったら
鉄橋に登り、走って来る電車の前に立ち、叫んだんですわ。
『帰りたい』と。
この映画は、彼の時間を20年前まで遡って行きます。
話しに奇抜なところはなく
落ちぶれて朽ちて行った男
彼の時代や運命の流れに翻弄されていく姿を通して
人間の弱さというか、生きることのせつなさというか
そういうものを描いているんですが
こういう人間ドラマを、スキとか嫌いとか、見たい、見たくないは別として
今の韓国映画ならではの、映画だと思います。
この映画についていうと
時代的にバブルに踊らされた日本人と重なる部分もあり
理解しやすいっていうのもありますが
はっきりいって、最初同情の余地もなさそうな男に
最後には『ああ、そうだったんだね。』って
言ってあげられるような気分に持っていく
演出のうまさがあると思います。
タイトルになっているペパーミントキャンディーは
この映画の大事な小道具としても登場しますが、
この映画をみて、記憶上のペパーミントキャンディーの味を
『どんな味だっけ?』と思い出そうとした時に
この映画にこのタイトルがついたのがわかるような気がします。