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オペラ座に住みついている怪人と言われる男と、劇団員、劇場のパトロンの三角関係の話
かなり前に劇団四季の公演をみました。見た後は気分爽快。
みんなは怪人がかわいそうだったそうだけど、私は怪人の取った選択が正しいような気がして、
良かったね、がんばったねと思いました。
恋は実りませんでしたが、ファントムが彼女を去ることを認めたときに、愛は成就したのだと思ったのです。
それが、私の中の劇団四季のオペラ座の怪人でした。
さて、今回のオペラ座の怪人、
最初のシャンデリアのシーンで、度肝を抜かれました。
映像がすごいすごいとは聞いていましたが、いや、すごい。
その後もこのシーンのインパクトを引きずりながら見ていたような気がします。
話の筋を知っているにも関わらず、怪人が何すんべ?と怖かった。舞台では感じなかったものです。
…というのか、舞台作品との違いはこの辺りかな?と思います。舞台版は怪人と主人公の間に信頼関係が築かれていくのが感じられるような作風でした。
なので、主人公が怪人と恋人の間で翻弄される気持ちがよくわかるし、
怪人の屈折した性格や彼自身の愛し方も、映画のように生い立ちを説明しなくてもわかるし、
説明が少ない分、怪人のミステリアス度や怖さが高まる気がするんですわ。
でも、映画版はそこをはしょっていて、彼女が怪人に対する愛情が今ひとつ見えてこない。
というのか、この主役の女の子、透明さは感じるのですが、感情が見えてこないので、
翻弄されているはずが、呼ばれた方についていく尻軽女に見えてしまう。
作り手の都合もあるかと思いますが、オペラ座の怪人は基本的にラブストーリーだと思う私は、
舞台版のほうが話しに深みとか愛を感じてしまうんですね。
(っていうか、国語能力の差…みたいなもの)
が、この映画には映像のすごさがある。
作品の場面設定が劇場なので、舞台版でもさほど違和感を感じなかったけど、
この映画のシーンを、実際に生で見たらものすごいだろうなって思ったし、見たいと思った。
でも、なんでかな、肝心なシャンデリアが落ちるシーンが、あんまりインパクトがなかったような気が…
オペラ座の怪人は、比べるものがあるからこういった評価になるかもしれないけど、
映画としては、エクセレントではないけど、これだけできてたら良いんじゃないかな?と思います。