海が見える とある街に ダーリンと優雅に暮らす
    マダムY.の日常を あなたに
Last Update : 1999/04/01

マダムのささやかな楽しみ

短大を出て就職した先の新人研修は、8日間も秩父の山の中に連れて行かれて、

とても厳しいものだった。

朝6時には起床、ランニング&体操、その後は食事時間を除いて講義の連続。

そして夜10時近くなってマラソンテストが始まり、

一字一句間違えないで回答して80点以上取れないと合格するまでテストが続き、

その後宿題が待っていて、日誌とか全部終えると

寝るのは夜中の2時3時は当たり前の生活である。

講義中もとにかく私語厳禁は当たり前、居眠りするのが見つかると、

後ろに立たされ、授業後ヒンズースクワットとか、腹筋とかさせられる。

そんな中、1日だけバスに乗せられて山を下って東京を目指した事がある。

グループ内の入社式があるからである。

当然この日は授業がない。

「ぃやっほー!!!」の気分だった。でも、みんなは疲れ切っていたのか、

なぜか今日という日がどういう日か気がついていないらしい。

その日はエイプリールフールである。

で、私は友達ひとりに相談し、この日を楽しむ事にした。

入社式が終わって、秩父に戻り夕食を食べているときである。

「今日、会長ってなんか言ってたっけ?」

「どこが出るんだろう…」

みんなが「なに?なに?なに?」って聞いてくる。

「何ってテストじゃん」って答えると、

「えー今日もあるの?うそー?」と言ってくるので

「昨日のところが怪しいかな?」とか、

平気で嘘をついていた。だってエイプリールフールだもん。

みんなはエイプリールフールなんて気がついていない。

だから信じる人、まいいやって感じの人、それぞれの夕食の時間を過ごした。

「さて、今日は行きに3時間、帰りに3時間睡眠の時間をみなさんに差し上げました。」

教育課の部長が言う。

「ってなわけで、これからテストをします。」

というとみんなは「えーっ!?」と叫んだ。

抜き打ちだった。

私も気分は「えー!?」である。

せっかくエイプリールフールの嘘をついたのに…。

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マダムY.:1968年生まれ。名古屋出身。
1997年5月に結婚。 平の自衛官をダーリンに持ち、名古屋と横須賀を行ったり来たりしながら
ぐうたらりんこにのほほんと優雅に暮らしている。

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