海が見える とある街に ダーリンと優雅に暮らす
    マダムY.の日常を あなたに
Last Update : 2002/06/17

マダムY.エイブリデーの日々(マダム・守るべきもの)

野菜コーナーに梅が並ぶと、マダムはしばらく、前に立ち止まり考えるようになる。

けど、それが500円以下で、さらに398とか、298とか、

しかも粒が大きくて青々とし、きれいなぷりっとした実なら、

その迷いは、どこへやら。わしっとつかんで、レジに直行。

梅酒をつけるのは、作業としてどってことがないんだけど、

マダムは、ホワイトリカーや果実用のブランデーではなく、35度以上の米焼酎、あるいは泡盛でつける。

これが、マダムの迷いの種。

まず、このお酒がなかなか見つからない。しかも、ちょいと高いんだわ。

でもねぇ、これが漬けあがる1年後(ともう少しかかる)には

ホワイトリカーとは、比べ物にならないのができるから、漬けるとなれば、

覚悟が決まったってことなのだろう。

去年は、覚悟が決まらず、マダムは簡単そうで、お酒が要らない、

梅エキスなんて作っちゃおうと思った。

しかし、作ったことがある人、あるいは、マダムの性格をご存知なら、

これが、単純ではあるが、めんどっちい作業だってことが想像つくであろう。

まず、青く硬い実から、種をとるのが面倒。

しかも、酸が強いからとかいって、使う道具にも神経をつかう。

その後は煮詰めるだけだけど、これがさらに面倒。

なんせ、1キロの梅がほんの一握りにもならないぐらいなのだ。

しかも、おいしいと云う代物でもない。

ってなわけで、今年は素直に梅酒をつけることに。ってなわけで、球磨焼酎をデパートに買いに行く。

そういえば…

マダムは大量に買い物をしていた。

そして、同じ店で同じように焼酎を手に入れる。

1升は結構重いので、送ってもらおうかと考えたが、梅の実のことを考えれば、

はやく漬けたほうがいいし、送料が300円ときた。

ってなわけで「くれぐれも地面に呑ませないでくださいね」という店員の言葉に見送られ、

マダムは注意深く、運ぶことを選んだ。そう、注意深く、注意深く。

しかし、マダムのひとつのことに集中するという貴重な性格は、

階段を登るということに集中したとき、

カシャン

と軽く、ちょっと楽しげな音と共に、につかわしくない悲劇を生み出した。

階段の段差を超えられなかった瓶から、なんだか急に自由を得たように、

液体がトクトクと袋に流れ出す。

でも、そこはマダム、

意地でも逃がさないように、袋を重ね、家に持って帰って漬けていたが。
 
あれから2年、

100円均一の誘惑を振り切り、瓶を我が子のように抱え、家に直行するマダムの姿。

「意地でも道路に、お酒をのませるもんか!」

少し、成長したマダムの横を、さわやかな風が通り過ぎていた。

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マダムY.:1968年生まれ。名古屋出身。
1997年5月に結婚。 平の自衛官をダーリンに持ち、名古屋と横須賀を行ったり来たりしながら
ぐうたらりんこにのほほんと優雅に暮らしている。

■関連ページ■
えたじま(江田島官舎時代の話) Ura Para



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