植木の季節がやってきた。
本当なら、マダムは、今頃ハワイにいるつもりだったので、今年は何も植えないつもりでいたのだが、
それが取りやめになり、苗をひとつ買ったら最後、うちの周りは、植物だらけになってしまった。
それはそれでおいといて、
マダムは、基本的に食べるものを中心に植えているのだが、 どこからか、虫がやってきて、
見事に食われてしまう。
せめて、土を鍛えねば…
そういえば、去年の今頃はバーク堆肥という、 微生物を発泡スチロールで飼うという、
土作りをしていたなと思った。
これは、生活ごみと、木酢液とバークで作るのだが、 作っている間匂うこともなければ、
この土を使うと良く育つ。
そして、何よりのメリットが、ゴミが出るたび、 もったいないと思わず、安心して処分できるのだ。
卵の殻を、ゴミ袋に入れようとした瞬間、 マダムの脳裏を、何かが横切った。
そして、その数日後、何気なく行ったショッピングセンターで マダムは、
型落ちのゴミ処理機を見つける。
憧れの熱処理式で屋内にも置けるコンパクト設計、 においも殆どないというし、
しかも処理時間2時間以内。
だが、昔の記憶では、とにかく馬鹿高い印象だった。
それが、現品のみ、処分価格で、補助金をもらえば、実質2万円台で買える。
ってなわけで、5%割引デーを利用し、速ゲット。
たんまりと処理した鰯の内臓も、肥料になると思うとウキウキ。
翌日、ゴミ処理機は我が家に到着。
ところが、入っていたしわくちゃの説明書を見ると どこにでも置けると思ってたのに、
熱が出るので壁から50センチあけなければいけない。
この狭い家でどうやって?と思ったが、キャスターつきの台をつくることに。
自転車で板を買いに行き、それを収める棚を組むために棚材も買う。
糸鋸で切って、やっとのことでできた台に乗せる。
ところが、棚の柱がちょうどの大きさで、台が取り出せないので、
考えながら、再び棚を組みなおし。
なんて苦労をしながらも(そのときに50センチは50ミリと気がつくのだが)、とにかく解決。
じゃぁ、動かそうかと思い、ゴミ処理機にアースをつけようと思うのだが
梱包されているはずのアース線がない。店に行っても置いていない。
ここまでかと思ったところに、ダーリンが出てきて、どこからかアース線を持ってきて接続。何とか解決。
しかし…
やっとのことで、試運転ができる頃には、部屋中に鰯のにおいがしていた。
でも、まぁ、それも時間の問題。
数時間後には、この生臭さも、匂わなくなるのよ。ほほほほほほほほほほほ
と、マダムは高笑っていた。
そして数時間後、
熱で処理された大量の鰯のゴミは、確かに消えた。
生臭さも消えた。 が、
数日の間、秋刀魚焼いたような焼き魚フレグランスに包まれて、マダムは暮らしたのだった。