マダムはある日、考えた。
家が欲しいという気持ちはあるのだが、自分が欲しいと思う家がまだかたまらないのだ。
ってことなら、前々から気になっていた、あれでも買おうか…という気持ちになる。
電車に乗り、広告がゆらゆらするたびに気になっていたあれ、京浜急行の株である。
京浜急行はある程度の株を買うと、株主優待として電車の切符がもらえる。
それ以外にもメリットはあるのだが、でも、ほとんど目的はそれだけである。
気温も株価も暑い7月のはじめのことだった。
最初はミニ株で100株買った。
だが、最低限の株主優待の京急百貨店でのお買い物割引券を受けるにも、1000株は必要。
ってなわけで、900株追加するつもりだった。
ところが、私が欲しいのは、お買い物優待券ではない。電車の切符である。
これを手にするには最低5000株必要なのだ。
ってなわけで、ミニ株はやめて、1000株単位に変更することに。
しかし、マダムは繊細な神経の持ち主で、買わなきゃ、売らなきゃという
ハラハラした状態が続くことに耐えられなかった。
とにかく、必要な株数だけ手に入れたら、もうこれ以上株に手を出す気はない。
マダムは、ボタンを押した。「これ?何のボタンだろう」と思いながら…
マダムは一瞬に4000株を手にすることになる。
それは、値段を指定せずに、その値段で株を買いますというボタンであった。
厚さがピークの7月の終わりごろであった。
8月、この暑さは続くのだろうか?と思った頃、
株価が少し下がった。
株価が下がるということは、手数料も安くなるということである。
マダムは考えた。
株とミニ株。オンラインで買うときの違いは、ミニ株だと、申し込んだ次の日の価格で買うことになる。
ということは、その値段は、その後出ないと思うと不利なのである。
900株も1000株も、買うには大差ないか。
ってなことで、今度は「この値段なら買います」ボタンを押した。
マダムの賭けは当り、希望価格で買うことになった。
が、季節が進むにつれ、株価は更に下がることに。
当初はミニ株の100株を売る予定だったが、結局は900株追加する。
京浜急行計6000株。
これらのお金は、ダーリンからでてるので、株の名義もダーリンのものである。
この株は、更にどんどん下がり続け、米国の同時テロでもこんなに下がらなかったぞって言うぐらいに下がった。
さて、今売ったら、どんだけ穴があくのだろう。
この夏泣いた、液晶テレビに洗濯機の代金ぐらいは出るかもしれない。
少なくとも、どちらか一つは確実に買える値段である。
これだけあったら、電車に何回乗れるかというのも考えてもいけない。
気にしない。っていうか、気にしたくもない。
まぁ、どのみち、最初から当分売るつもりはないのだから。
まぁ、それでも、この不況な日本の経済にダーリンが参加しているのは事実。
ある意味、慈善事業のような投資は、優雅さの象徴なのかもしれない。
あ〜あ、早く切符がこないかな〜♪