浅草むぎとろ
都営浅草の出入口を少し行ったところに、駒形むぎとろがある。
美空ひばりが、死ぬ間際まで毎日届けさせたこのそばのお土産用は
昔はこえびと鶉の卵がついてたんだけれど、今はとろろとそばとのりとお出汁。
簡単な小さな容器に入っていて、あっというまに食べ終わってしまう量。
値段は、ここ20年ぐらいずっと600円だったけれど、
ほおずき市の時に寄ったら50円上がっていた。
冷たくて、喉行きが良く、なんといっても味のころあいが良い。
子供のころから、名古屋のデパートで江戸をテーマとした催事が年に1〜2度行われ、
その時、この土産用そばを食べられるのが本当に楽しみだった。
『東京に行きました。浅草でむぎとろそばを食べました。』
中学1年の夏、短期間だがハワイで寮生活を送っていた私に届いた姉のエアメール。
日本の事など気に留める余裕もない状態だが、あまりにも悔しくってこの事だけは覚えている。
それで、私も10年ぐらい前、そばを食べに行ったのだが、
そばだけを店で食べるという事は不可能で
懐石料理の一品としてこのそばは出される。
懐石料理もおいしいのだが、
だからといって毎度毎度懐石なんて食べられない。
今は、浅草見物のついでに持ち帰るささやかな贅沢である。
浅草むぎとろ (浅草 http://www.mugitoro.co.jp/)
最近は、麦とろ(ごはん)とお味噌汁の食べ放題1000円のコースもランチタイムにはあるらしい。
むぎとろは、美空ひばりの大好物でもあったそうだ。