名古屋人でも食べたことがない名物っていうのが意外にある。
その代表作が「ひつまぶし」だろうなぁ。
私がこの名前を聞いたのはもとは東京に住んでいた仕事仲間が東京の友達に
「名古屋の熱田神宮のところにひつまぶしっていう名古屋名物があるんでしょう?」
って言う話を聞いてきたからである。
そのぐらいマイナー。
でも決してニューフェイスってわけじゃないんだよね。
今はもうなくなってしまったんだけど、昔は熱田神宮(名古屋の明治神宮みたいなもの)に参道があり、
そこのお店の一つが「蓬莱軒」という鰻を中心とした料亭なんですわ。
歴史も130年とパンフレットには書いてありますね。
で、ひつまぶしとはなんぞやってことですが、要は鰻なんです。
炭焼きの鰻を細かく刻んでご飯のおひつに混ぜてある(まぶしてある)、
だからひつまぶし。
でも「なんだぁ」といっては行けません。
名古屋人の驚異の力はここからです。
名古屋の日曜の夜10時半からやっているくせに人気のあるTV番組で、
ショー&ケン・コスギ親子を「名古屋名物でもてなす」というテーマのときに
彼らが唸ったのには理由があります。
このご飯は茶碗約3杯分あります。一杯目はそのまま食べます。
「鰻がおいしいなぁ」って味わうんです。
で、ふと目をやるとのりとわさびと刻みねぎが目に止まります。
「なあに?これ?」と思ったら、おひつの中に入れて混ぜちゃうんです。
「名古屋人大好きセッチュウー物」です。
もともとそんなにしつこくない鰻ですが、さらにあっさり食べられるんです。
「これだったら何杯でもいけるじゃん」って思うかもしれないです。
でも「ところでなんだろう?このお汁は?お吸い物でもないし…」と思ったら
残りご飯をお茶碗によそって、
そのうえからかけてしまうんです。
これがサラサラとしていけるんですね。(ただし汁が熱いほうがおいしい)
これがひつまぶしなんです。
松江にある「みなみ」という有名な鯛めしやがあるんですが、そんな感じです。
お値段はお吸い物がついて2300円ぐらいだったかな?
お店は3軒くらいあって、1軒は名古屋では一番の松坂屋というデパートにあります。
これより安くていば昇っていう有名な鰻やさんもありますが、
そこは日曜日とかお休みなんです。
どちらも鰻がおいしいからいいんでしょうね。

鰻をしゃもじで混ぜ込んでから食べる。薬味はねぎ・のり・わさび
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名古屋に他の地方の友達が来たときに行きます。好きですがやはり高いので滅多に行きません。
ちなみに、ひつまぶしというのは蓬莱軒の登録商標で、他はひつまぶしと使えないと知ってましたか?
でも、発案はどうやら名古屋のもうひとつの老舗いば昇のよう。
私はどちらの店でも食べましたが、この2店の違いは、蓬莱軒は海苔が別添えになっていて、お茶漬けにするのが出汁であること。
いば昇は海苔が最初からご飯にまぶしてあり、お茶漬けにするのは、最初に急須で出されるお茶であること。
うなぎのおいしさを味わうにはいば昇の方かな?と思いますが、私の好みは蓬莱軒です。ただ、お茶漬けを楽しむころには出汁がぬるくなっている(特に松坂屋店)のが残念。
可能なら、熱田にある本店で食べてください。
ちなみに、蓬莱軒は松坂屋のデパ地下でお持ち帰り用も購入できます。
値段はどちらも同じです。
さて、ひつまぶしというのは高いものなのですが、最近、しら河というお店も有名です。
食べたことはないのですが、値段が1400円とお値打ちです。